2010年10月17日日曜日

有馬かおる@ZENSHI

観に行った日 10月7日
観た感想 ☆☆☆★★

オレオレな絵を描く作家はどんだけでもいそうだけど、「私のあなたのこと」について描いて見せてくれる画家はそんなにいないのではないか。 
有馬かおるさんの絵は地味だけれど、そういう豊かさを持った絵だと思った。
僕は最近再婚した新婚さんなのだけれど、このタイミングでこの人の展覧会に出会えてちょっとハッピーになれたな。
(新婚祝いに一枚買って帰ろうかと考えながら真剣にどれがいいか選別する気持ちで一枚一枚見ました) 

おそらく有馬さん自身が女性とつきあうようになって 
知ったいろいろな美
それは表情だったり、ラインの美しさだったり
ひとりでなくてふたりで過ごす日々の中で出てくるささやかでいとおしい所作ひとつひとつだったり、
あるいは体をくっつけあったり、キスをしたり、セックスをしたりしたときの交わる線だったり、
そういうものが絵のなかに表れている。 
誰かとつきあったことのある人なら、この人の絵の線の味わい深さや、間の微笑ましさがきっとわかるだろう。

面白かったのはふたりというモチーフがさらに一歩進んで、いつのまにか両性的というかアンドロギュノス的というか、ひとりかふたりかわからないようなイメージや男か女かわからないような人間のイメージの絵がたくさんあったこと。そういえば、アンドロギュノスってのは、ギリシャ神話が元となっていて、昔人間は頭がふたつ手足が四本ずつある生き物だったが、あまりに傲慢な態度であったがために神の怒りをかい、真ん中から真っ二つに裂かれて、以来、人間達は失われた「かたわれ」を求めて恋をするのだというお話だったことを思い出した。

他に絵の感想としては、寒山拾得図のような中国の禅宗画などから、サン=テグジュペリの星の王子様のイラストまで、いろんな種類の絵を研究したりしている形跡があるように感じたな。いろいろ試行錯誤しながら自分の絵を手探りしているんだなというか。

あとは、この人の持っている画家道というか、お金やネームバリューなど表面的なことに流されず、ぶれずに続けられていることには、敬意を覚えます。だって、流される人、多いんだもん。  
ただ、正直言うと、有馬さんにとっては鉛筆画は下絵や習作ではなく完成作なのかもしれないけど、
やっぱり僕は、その中でつかんだものをもう1回タブローとして、描いて欲しい気がする。

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